「バットマン:キリングジョーク」。ジョーカー誕生のエピソードを描いたこの作品は、バットマンシリーズでも屈指の名作として今尚高い評価を得ています。
ライターはアラン・ムーア。映画化もされた「ウォッチメン」の著者としても有名ですね。
ジョーカー誕生のエピソードはこの「キリングジョーク」が初出。誕生に纏わるシーンは、ティム・バートンの映画「バットマン」でも影響を受けたと思われるシーンがあります。
※「キリングジョーク」は1988年の作品。ティム・バートンの映画「バットマン」は、1989年の作品です。
それはさておき、この完全版。作画担当のブライアン・ボランドが、当時ついぞ自身でできなかった着色を担当し、再カラーリングが施されています。(読み比べて見れば、よく分かると思います。僕は旧版を持っていないので、読み比べた方は感想を是非。)
他に、ブライアン・ボランド作の短編「罪なき市民」も収録。さらに日本語版の特典として、ブライアン・ボランドのカバー絵集も収録しています。
狂気に満ちつつ、けれど悲哀にも満ちた人間的なジョーカーに注目です。同時に、正義を貫こうと苦悩するバットマンとゴードンも魅力的です。
クリストファー・ノーランの映画「ダークナイト」のヒットもあり、近年は様々なバットマン作品が邦訳されているのは嬉しい限りですね。
ジョーカー誕生を描いた作品は他に幾つかありますが、「バットマン:ラバーズ&マッドメン」も、お勧めの一冊。併読すれば面白さはより深まると思います。