ミカセ

ミカセ

鳩山郁子の短篇集。

夏が近づくにつれ、この「ミカセ」にある、「アネモネと風速計」という話を思い出します。
アネモネと風速計が辞書で隣り合っている事に気がついた少年が、百葉箱へ手紙を投函する話。
舞台が海町なんですよね。灯台なんかもあって。故郷にある、灯台が近くにある町を思い出します。
二十代前半の頃は、休日にその灯台の近くで海を眺めながら本を読んでいました。 

ここ二年くらいは、折に触れて稲垣足穂の「一千一秒物語」を繰り返し読んでいます。
足穂の創り上げたやかましくも静かで透明な世界に、腰まで浸かって。 

鳩山郁子の作品を読むと、聞いたこともない不思議な道具が色々と出てきます。無知が恥ずかしいですが、発見の楽しさの方が勝ります。
たとえば、作中の「インスレーター・トゥリー・ストーリー」に出てくる、「インスレーター」。
ガラスで出来たそれは、電線の絶縁体として利用されていたそうです。eBayにも出品が沢山あるように、海外ではコレクターも多く、人気のアンティークとなっています。

透明でキラキラしたものに、最近無性に惹かれます。
いつかコレクションしたいものです。 

Sho Yanagihara

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