やなせたかしの作品は、代表作の「アンパンマン」の他にも、このブログで紹介した「十二の真珠」の様な詩的な作品もあり、大人の童話として楽しめるものも沢山あります。その中でもこの「霧野仙子」は、挿絵・装丁が宇野亜喜良という贅沢な作品。
不思議な少女、霧野仙子と、生きる気力を失った漫画家ヤルセ・ナカスの物語です。
「こんな我がままな本はない」とやなせたかし自身が語る様に、宇野亜喜良の描く霧野仙子が、やなせたかしのフレーズに乗って詩的な美しさを放っています。
見方によって様々な解釈も成り立つ、大人のメルヘン。挿絵とお話を楽しむ、絵本の醍醐味を十二分に味わえる一冊です。
1000部限定の希少本でもあるので、手にしたい方はお早目に…。