水蜘蛛

水蜘蛛 (白水Uブックス)

マルセル・ベアリュの短篇集。表題の「水蜘蛛」と短篇集の最後を飾る「百合と血」が有名です。

水蜘蛛に登場する「ナディ」は、特にインパクトの強いキャラクター。
金属的な歌声を持った雌の水蜘蛛。主人公が家に連れ帰ってから変容を見せ始めます。

「水蜘蛛」は、初めて読んだ時に大変恐ろしい結末だと思いました。 (今は美しいと思えるようになりました)

個人的に面白いのは、収録されている「読書熱」です。
僅か3Pで終わる、読書を愛するあまり頭だけになってしまった男の話。 この話、実はとても共感できるのです。

ベアリュの作品にはどれも極度なシュルレアリスムを感じるのですが、そこに漂う純粋過ぎる程のロマンチシズムも好ましいです。懐かしさを感じるロマン。

10年後に再読すれば、どのような感想を持てるのでしょうか。 「読書熱」の主人公のようになっていなければよいのですが。

Sho Yanagihara

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