雨の塔

2013-03-04

Books

雨の塔


先日文庫版も発売された「雨の塔」が読みたくなり、再読。

衣服・食べ物も自由に手に入り、授業の出欠席も思いのまま。四年間を過ごせば望む学校の卒業証書が手に入る、一見すると楽園の様な学校。しかしそこは、世間の情報は一切与えられることのない、真の自由とはかけ離れた閉ざされた世界だった―。

その「世界の果て」、資産家の娘だけが入ることが出来るこの学校に「捨てられた」、四人の少女たちの物語。

物悲しい少女小説というのは比較的多くあると思いますが、イメージもしやすく心に響きやすいこの「雨の塔」。折に触れて読み返したくなり、その度にラストシーン手前のエピソードで胸が苦しくなります。

文庫版ではない単行本の方は、表紙絵に鳩山郁子が描いた 四人の少女たちが。
イメージのしやすさは、この表紙絵の力も加わっているんでしょうね。素晴らしい。(文庫版の装画も鳩山郁子が担当しています。) 

少女たちそれぞれの思い。一体あなたは誰に共感できるでしょうか?それともあなたは、「五人目の少女」でしょうか?

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S.Yanagihara
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