青蛙堂鬼談

青蛙堂鬼談 - 岡本綺堂読物集二 (中公文庫)

岡本綺堂の読物集 第二弾、「青蛙堂 鬼談」(第一弾は「三浦老人昔話」)、発売の由。

物珍しい「青蛙」という名を掲げる「青蛙堂」。
その由来は、清の阮葵生が著した「茶余客話」に「金華将軍」の名で記される、三本足の蝦蟇の置物。

霊験あらたかなその青蛙を譲り受けた人間の邸宅である青蛙堂に、様々な職業・年齢の人々が一堂に会し、酒宴が催された。
酒宴の後に人々は広間でくつろいでいると、主人の、「怪談を拝聴いたしたい」との声掛けを耳にし、指された指の先、床の間に座す青蛙の姿を目にする。青蛙の脇には酒壷が供えられていた。

人々はその青蛙を「聴き手」とし、思い思いの怪談を一人ずつ、語ることとなった。 外は雪の宵である―。

岡本綺堂の怪談はどれも格調が高く、 それゆえ不気味なものも多いのですが、この「青蛙堂鬼談」はそれら岡本綺堂 怪談話の中でも格別におどろおどろしいものです。
まず、「青蛙」を聴き手として怪談を語る、という演出の妙。また、怪談の一話目は、この青蛙に纏わる怪談「青蛙神」です。 これが非常に不気味なお話。

紡がれる物語の中で僕が特に印象に残ったものをいくつか。まずは一話目の「青蛙神」。怪談そのもの、といった体の「猿の眼」、物悲しさも漂う「蛇精」、怪しげな美しさに満ち満ちた「清水の井」、そして異常なまでのグロテスクと耽美を備えた「一本足の女」。

「一本足の女」は強烈ですね。読んでいて寒気が走りました。

付録として、「梟娘の話」、「小夜の中山夜啼石」も収録。

前回「三浦老人昔話」と同じく、口絵 山本タカト、装丁デザイン ミルキィ・イソベ。口絵のタイトルは「笛塚」です。
こちらも見所です。是非お手元に取り、御覧ください。

岡本綺堂の著作は現在ほとんどが青空文庫で公開されています。勿論この「青蛙堂鬼談」もありますので、話をとにかく読みたい、という方はそちらを利用するのも良いかと。 

青空文庫:青蛙堂 鬼談

Sho Yanagihara

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