Another

Another(上) (角川文庫) Another(下) (角川文庫)

綾辻行人原作の小説「Another」が、最近アニメで放映されました。
以前単行本で読んだことはあったのですが、アニメを見てムズムズしてしまい、文庫版で買い直して再読しました。

母の実家である夜見山に、主人公「榊原 恒一」は病気療養の為に身を寄せてきた。

転入した「夜見山北中学校 三年三組」で、彼は左目に眼帯をした少女「見崎 鳴」と出会う。
不思議な雰囲気に惹かれ接触を試みる榊原だが、三年三組のクラスメイトは見崎について、何も答えなかった。


まるで彼女が「存在しない」かの様に。


―夜見山北中の三年三組には、ある秘密があった。

その秘密は遡ること二十六年前、三年三組に在籍していた「ミサキ」という生徒が亡くなった際、その時の三年三組の生徒達と教師が、ミサキをまるで「生きているもの」として扱った事を発端としていた。
その後「それ」は起きた。


死んだはずの「死者」が、三年三組に毎年紛れ込むようになったのだ。


本来「死」の側にいなければならない人間 ―「死者」が紛れ込むことで、三年三組にはある「災厄」が訪れるようになった。
それは年度ごとにランダムに、三年三組の関係者に対して発生する。

「現象」とも呼べるそれは、三年三組になったクラスメイト、教師、親族を「死」の側に近づける。
「死」に近づいた人間は、通常では考えられない様な事故や事件に巻き込まれ、死んでいく。

一度始まってしまった「災厄」は、止まることはほとんどない。
災厄の起こらない、「ない年」にする為に取られていた一つの手段。

それは、クラスの誰か一人を「いないもの」して扱い、紛れ込んだ「死者」の数と帳尻を合わせる事だった。

今年の「いないもの」。 ―それが、「見崎 鳴」だった。

しかし、対策を講じたにも関わらず「災厄」は始まってしまう。
この始まってしまった「災厄」を止める術は、果たしてあるのだろうか。


そして、三年三組に紛れ込んだ「死者は、誰―?」

「死者」の謎解きをする楽しさに加え、ホラー要素も味わえる一冊。
今回は貼られた伏線を軸に読んでみましたが、成る程きちんと回収されていますね。
「災厄」で死んでいく生徒の場面は、「ファイナル・デスティネーション」を思い出すようなテイスト。

「球体関節人形」といった、好きな人には堪らない要素も含まれています。

本作は、日本ミステリー作家お得意の「叙述トリック」があります。
この「叙述トリック」、味わった事のない方は是非「Another」で体験してみて下さい。

そして叙述トリックに興味を持った方は、我孫子武丸の「殺戮にいたる病」を読むのをオススメします。
(残酷描写が多いので、そういった表現が苦手な方のみオススメしません。)
ラストで「あれ?」となって、もう一度読み直す叙述トリックの楽しさを、十二分に味わえると思いますよ。

単行本を購入されている方も、文庫版のあとがきがありますのでご一読。
「マリアの心臓」の話が出るとは思いませんでしたね…。

Sho Yanagihara

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